土留工事とは?種類や工法の違い・安全性を高める土止め先行工法を解説

土留工事とは?
土留(どどめ)工事は、掘削作業時の崩壊を防ぎ、現場の安全と作業スペースを保つために実施されます。ここでは土留工事の基本的な定義と主な目的を説明します。
土留工事の定義
土留(山留)工事とは、地下構造物の築造などに伴う掘削作業の際、周囲の地山や土砂の崩落を防ぐために設ける仮設構造物を設置する工事です。主に、掘削面を直接保持する「土留壁」と、その壁を支える「支保工(切梁や腹起しなど)」で構成されます。
土留工事を行う目的
土留工事の主な目的は、地面を掘削(掘り下げ)した際に周囲の地盤が崩壊するのを防ぎ、作業の安全を確保することです。土を掘ると周囲から圧力(土圧や水圧)がかかり、放置すると崩落の危険があります。土留工事を行うことで周囲の土壁を固定し、安全に工事を進めるスペースを作り出します。
土留壁とは

支保工とは

| 腹起し(はらおこし) | 土留壁に直接取り付ける横方向の部材です。土留壁全体にかかる土圧を受け止め、後ろにある「切梁」へ均等に力を伝える役割を持ちます。 |
|---|---|
| 切梁(きりばり) | 向かい合う土留壁の「腹起し」の間に突っ張り棒のように渡す水平な部材(ジャッキやサポートなど)です。両側からの土圧を互いに押し返すことで、土留壁の倒壊を防ぎます。 |
| 中間杭(ちゅうかんぐい) | 長い切梁が自重や圧力でたわんだり、曲がったりするのを防ぐため、掘削底面に垂直に打ち込んで切梁を途中で支える杭です。 |
| 火打(ひうち) | 腹起しと切梁が交わるコーナー(隅)部分に斜めに設置する部材です。変形を防ぎ、全体構造の強度(剛性)を高める補強材の役割を果たします。 |
土留工事に関する法令・設置基準(概要)
土留工事には、作業員の安全を守るための法的基準が存在します。基準の概要と、土留めを設置しない施工に伴う課題について確認します。
掘削深さ1.5m以上の設置基準
「建設工事公衆災害防止対策要綱」などにおいて、掘削深さが1.5m以上となる場合には、原則として土留めを施工することが定められています。
素掘工法のリスク
土留めを設置せずに斜面を削って掘削する「素掘工法」は、資材費用が抑えられるように見えますが、以下の課題が存在します。
安全上の課題
コストの増加
労働災害を防ぐ「土止め先行工法」とは
掘削作業における労働者の安全性を高めるため、国の機関により「土止め先行工法」が推奨されています。ここでは工法の定義や従来の施工との違いを解説します。
土止め先行工法とは
土止め先行工法とは、労働者が掘削溝内に立ち入る前に地表面から土止め支保工を先行して設置し、組み立てや解体の作業も原則として溝内に立ち入らずに行う工法です。国土交通省や厚生労働省により推奨されています。
従来の慣行工法との違い
掘削後に作業員が構内に入って支保工を設置する従来の慣行工法では、設置作業中に土砂崩落に巻き込まれる危険が存在します。土止め先行工法では、未保護の掘削溝内への立ち入りを回避できるため、作業安全性が向上します。
土止め先行工法に必要な資材の条件
地上からの設置や撤去を可能にするため、資材には「重量の軽さ」と「地上からの伸縮・固定操作性」が求められます。
【規模・構造別】土留工事の主な種類
また、土留工事は、使用される部材や工事の規模によって区分されます。代表的な2つの区分について説明します。
重仮設(山留支保工)
簡易土留
主要な土留工法の違い(安全性・作業性・コスト)
土留工法ごとに、安全性や作業性、トータルコストの特徴は異なります。現場の条件に応じた選択のための比較内容を解説します。
素掘工法
| 安全性 | 土砂倒壊や近隣構造物が倒壊するリスクがあります。 |
|---|---|
| 作業性 | 掘削土量が多くなるため掘削時間や転圧作業時間が長くなります。雨天時には掘削構内へ流入した土砂の掻き出し作業が発生します。 |
| コスト | 残土処理費用や埋戻し土購入費用、燃料費が増加します。 |
鋼矢板・H鋼使用工法
| 安全性 | 土留めを設置するため素掘工法より安全ですが、鋼材が重いため設置・撤去作業時に掘削構内へ立ち入る場面があります。 |
|---|---|
| 作業性 | 支保工設置に大型重機が必要であり、設置作業時間が長くなります。ガレージの下や軒下などの狭小地では重機が入らず施工が困難な場合があります。 |
| コスト | 機材のレンタル費に加え、重機使用にともなう燃料費が発生します。 |
軽量金属支保工法
| 安全性 | 地上からの設置・撤去が可能であり、土止め先行工法に適合します。 |
|---|---|
| 作業性 | 人力での運搬や設置が容易で作業性に優れます。支保工の分割が可能なため狭い場所でも施工できます。 |
| コスト | 適した範囲のみを掘削できるため土量が減り、残土処理費や購入土費用、重機の燃料費・CO2排出量を抑えられます。 |
「軽量金属支保工法」が適している現場とは?
軽量金属支保工法は、最大深さ4m未満の特定条件を備えた工事現場において効果を発揮します。軽量金属支保工法が適する主な現場環境を紹介します。
浅層・小〜中規模掘削工事
浄化槽やマンホールの設置工事
狭小地・住宅街の現場
軽量金属支保工法(土止め先行工法)に最適!ホーシンのおすすめ土留資材
土止め先行工法を円滑に進めるには、取り回しやすく地上操作が可能な資材が有効です。株式会社ホーシンが提供するおすすめの土留資材を紹介します。
アルミ矢板(HAYシリーズ)

スーパーSSジャッキ(アルミギア式サポート)

つっぱり名人(ギア式ジャッキ内蔵一体型支保工)

まとめ:浅層・狭小現場の土留工事には安全と効率を両立する軽量金属支保工法を検討
掘削工事における安全確保と効率的な施工には、現場の条件に適した土留工法の選定が不可欠です。浅層掘削や狭小現場においては、土止め先行工法に適合する軽量金属支保工法を採用することで、労働災害の防止と工程の効率化を両立できます。
株式会社ホーシンでは、各種資材のレンタル・販売のほか、簡易土留計算ソフトによる資材選定サポートを行っています。当社製品の資材選定の際はお問い合わせください。